葛西薫さんのこと 

その人の存在を頭に思い浮かべると
心がしゃんとして、その後ほわあっとあったかくなって、
「私もがんばろう」と力がふつふつ湧いてくる。

私にとって葛西薫さんはそんな人です。

葛西さんはサントリーウーロン茶や是枝監督の映画の広告など
手がけるアートディレクターです。
一見静かな葛西作品のその奥にはじんわりとした熱のようなものが
潜んでいて、じっと見ていると心がほろほろ溶けてゆくような
味わい深さがあります。

そんな素晴らしい作品を生み出す葛西さんの展覧会が
東京で開催されるというニュースを聞き、
リンゴシーズンまっただ中ではありますが、
もうお尻がうずうずして、
いてもたってもいられなくなり、
思い切って純子園主に相談すると、
「この頃ならちょうど収穫の合間でぽかっと時間ができるから
行ってきていいよ。」
しかも「りんごっこは見とくから一泊しといでよ」
…なんと!素晴らしき我がボス(涙)

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という訳で、9日、10日と東京へ行ってきました。
9日には展覧会と合わせて行われる講演会にも行けることになり、
もう天にも昇る気持ちでした。

展覧会は…とても良かったです。
サントリーウーロン茶のシリーズはもう25年も続いているもの。
けれどずらりと並んだその広告たちには
どれも軽やかで新鮮な風が吹いています。
私たちの農園のPRも、もっとできることがある。
もっと自由になっていい。そう背中を押された気がしました。
それから、いつまでも見ていたかったのが作品ごとにまとめられた
直筆ラフやメモのファイル。一つの作品ができあがるまでに、
たくさんの紆余曲折があったことをありありと感じさせます。
はっとする言葉が書きとめられていたり、
どこかユーモラスな表情のラフスケッチがはさまっていたり…。
とても贅沢な資料でした。

そして、講演会。
どこまでも優しくて深いまなざしを持つ葛西さんだからこそ、
数々の名作を生み出して来られたのだと、改めてしみじみ感じました。
作品はその人の心や体温をそっくりそのまま写すもの…なのですね。やはり。

「全ての物事の始まりは小さい」という言葉が好きだと語る葛西さん。
ふっと見過ごしてしまいそうなものや人にも
丁寧なまなざしを向ける葛西さんらしいその言葉を聞いて、
私もまた、小さなことを大切に拾い上げながら
リンゴの仕事に関わっていきたい。そう思いました。
こんな気持ちをくださる葛西さん、
それから展覧会へゆくにあたってたくさんお世話になったHさん、
深夜の訪問にも関わらず暖かく迎えてくれたSちゃん&Rさん、
忙しいスケジュールを合わせてくれたUちゃん、Sさん、
いい子して待っててくれたりんごっ子、
そして純子園主に心からありがとうを言いたいです。

葛西さんのご活躍・それからご健康を
いつの日も願ってやみません。

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【展覧会情報】
タイムトンネルシリーズVol.25
葛西薫 1968

会期:
2007年10月29日(月)~ 11月22日(木)
11:00a.m.-7:00p.m.(水曜日は8:30p.m.まで)
土・日・祝日休館 入場無料

会場:
クリエイションギャラリーG8
ガーディアン・ガーデン (東京・銀座)


→展覧会詳細はこちら


写真は本展のパンフレット。
葛西さんの生い立ちから駆け出しの頃のこと、
今にいたるまでが丁寧に綴られています。
もうすでに何回も読み込んで、私のバイブルになりつつあります^^
[ 2007/11/09 22:12 ] 私の好きなもの | トラックバック(-) | コメント(-)